キリンホールディングス株式会社は11月より、調剤薬局向け置き薬サービス「premedi(プリメディ)」に、高田製薬株式会社(さいたま市南区)を協業パートナーとして迎え、高田製薬による「premedi」販売支援のトライアルを開始します。
調剤薬局において、取り扱い頻度が低い医薬品は在庫がなく、処方せん通りの医薬品が提供できないことや、手配に時間がかかり、患者へ渡すのが翌日以降となることがあります。キリンの調査では、処方せん通りの医薬品がもらえない経験をした患者は日本全国で44%にのぼり、そのうち35%は当該調剤薬局への印象が悪化し、調剤薬局を変えるケースがあることもわかりました。
また厚生労働省の調査では調剤薬局で処方されずに余剰在庫となる医薬品は、1店舗あたり年間20万円以上あり、使用期限切れなどを理由に廃棄されています。
こうした状況下においては、特に中小規模の調剤薬局にとって、取り扱い頻度の低い医薬品を過不足なく在庫し、廃棄を最小限にすることは両立が難しい経営課題です。
一方、「premedi」は、AIで薬局ごとの医薬品の利用確率を予測し、10~30錠の小ロット単位で約100種類の医薬品を発注できる調剤薬局向け置き薬サービスです。各調剤薬局の中で特に取り扱い頻度の低い医薬品を適切に在庫管理できることが特長で、使用期限が近付いた医薬品は「premedi」が買い取り、新たな医薬品に入れ替えます。
このサービスを導入することによって、調剤薬局は取り扱い頻度の低い医薬品でも、患者へ処方せん通りに渡すことができるようになり、余剰在庫の削減が期待できます。また、調剤薬局における医薬品確保の手間を削減することで、薬剤師本来の業務である服薬指導などへの時間確保につながります。
premediは2022年4月に首都圏エリア中心にテスト展開を開始。調剤薬局からは、「欠品が防げた」「患者さんをお待たせせずに済んだ」「従業員(薬剤師)が本来の業務に時間を使えている」といった声が複数寄せられ、「premedi」へのニーズを確認できたため、2022年末に全国展開を開始しました。
サービスのさらなる拡大に向けて、11月より、飲みやすさ、使いやすさといった付加価値を有したジェネリック医薬品開発メーカーである高田製薬を協業パートナーとして迎え、高田製薬による「premedi」販売支援のトライアルを開始するそうです。
高田製薬は、小児科領域を強みとした付加価値ジェネリック医薬品をはじめとして、「独創的な製品を開発し、高品質の製品を適正に供給することにより、人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究開発型の会社として主に医薬品の研究開発・製造・販売事業を展開しています。
◎高田製薬株式会社 会社概要(2022年9月期)
住所/さいたま市南区沼影1丁目11 番1号
設立/1928年11月
売上高/266億円
従業員数/800人
ホームページ/https://www.takata-seiyaku.co.jp/
事業内容/医薬品の製造・販売、清涼飲料水・健康食品の製造
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