歯科技工所の運営を行う株式会社お守り入れ歯(札幌市)は、災害への備えとして、入れ歯の無料データ保管サービス「入れ歯銀行」の全国展開を行っており、このほど、さいたま市の塩野歯科クリニックに埼玉県で初めて入れ歯銀行を導入しました。
今年に入り能登半島、トカラ列島、千葉など各地で地震が発生するなど、日本は地震の多発エリアです。仮に夜中に地震が発生した際は慌てているため、洗浄液に浸した入れ歯を置いたまま避難することがあります。持ち出せたとしても避難途中に落下し破損するなどして、新しくできるまで数か月も食事や会話に困る人も多くいるそうです。
医療分野では電子版お薬手帳の運用が開始され、災害時にお薬手帳を持ち出せなくても早期に持病の薬の受け取りが可能になりました。歯科でも電子カルテや予約システムなどデジタル化が進んでいますが、口腔内スキャナーなどを使うデジタル診療に関しては保険適用外のため進んでいません。
こうした中、災害時や紛失時の食べられない期間を大幅に短縮できるよう、入れ歯の形状データを無料で保管しておくのが「入れ歯銀行」です。
さいたま市の塩野歯科クリニックでは、入れ歯銀行浦和本太支店として5月よりサービスを開始しました。歯科医院で読み取った入れ歯データを3か所のサーバーに無料で保管します。被災や紛失した際は保管したデータを他の提携支店(歯科医院)でも引き出せ、約1週間、早ければ2〜3日で全く同じ新しい入れ歯が作れるそうです。
他の歯科医院では有料ですが、入れ歯銀行では運営技工所が負担するので利用者は無料です。
入れ歯銀行
◎浦和本太支店
所在地/さいたま市浦和区本太3−21−8
問い合わせ先/048—811—1616(平日9:30〜19:009、休診日水・日)
内容/現存入れ歯の洗浄と除菌、3Dスキャナーによる読み取り、 データのクラウド保管
料金/データ読み取りとクラウド保管は無料、データ引き出しは2,200円
受付方法/来店、歯科医院により発送対応も可能
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