さいたま観光国際協会のホームページ「浦和のうなぎ」によりますと、江戸時代、浦和近郊は沼地が多く、川魚が多く生息する水郷地帯で、魚釣りなどを楽しむ行楽客で賑わっていました。その行楽の人々に沼地でとれたうなぎを出したのが始まりで、味の良いことが評判になり、中山道を行き来する人たちがわざわざ足を運んだということです。
大正時代の半ばになって、地場のうなぎはいなくなってしまいましたが、うなぎの蒲焼という二百年来の伝統の味は、「浦和のうなぎを育てる会」によってしっかりと受け継がれているそうです。
一方、うなぎはかねてから高級品であり、その上、“ニホンウナギ” が絶滅危惧種IB類に指定されていて、今後、ますます多くの人々の生活から遠い存在になっていく恐れがあります。
そうした中、うなぎをめぐる新たな動きが出てきています。
その一つが、低価格でうなぎを提供する店の登場です。
フランチャイズ本部や加盟店への支援を行うフランチャイズジネスインキュベーション株式会社(東京都)は自社が運営する「うまい鰻を腹いっぱい!」をコンセプトにした鰻専門店「鰻の成瀬」大宮店を、さいたま市大宮区に5月27日オープンします。埼玉県内では上尾店、岩槻店に続き3店舗目となります。
味・価格・安全性の3つの理想に到達した鰻(高級店で提供されている絶滅危惧種ニホンウナギ)のみを使用。オペレーションをシステム化し、提供時間、人件費を抑え「安くて、早くて、うまい!」を実現しているそうです。
また老舗店では提供まで20〜30分かかっていましたが、待ち時間を10分程度にまで短縮に成功したことで、店内だけでなく、気軽にテイクアウトすることができます。
主なメニューは、うな重が<梅>1,600円(鰻半身分)、<竹>2,200円(鰻3/4尾分)、<松>2,600円(鰻1尾分)などです。
ま外食チェーンの「なか卯」でも、うな重(900円)、特うな重(1,400円)、うな重出汁茶漬けセット(1,080円)、牛すきうな重(1,090円)と低価格でうなぎメニューを提供しています。こちらもお持ち帰りOKです。
「すき家」、「吉野家」、「ガスト」などでも低価格で提供しています。
さらに、鰻を安価食べられるチェーン店「宇奈とと」も、うな丼(590円)、うな重上(1,580円)、うな重特上(1,800円)などで提供しています。
宇奈ととホームページ↓
一方、日清食品ホールディングス株式会社が5月15日に発表しましたお知らせによりますと、動物由来原料を一切使用せずに “うなぎの蒲焼” の食感や見た目、風味を再現した「プラントベースうなぎ」の開発に成功したそうです。
開発された「プラントベースうなぎ」は、本物の “うなぎの蒲焼” の食感に近づけるため、「白身層」「中間層」「皮層」の3層に分けて動物由来原料を使用せずに生地を作っているそうです。
「白身層」には、主に粒状大豆たん白を使用し、「中間層」は、植物油脂などを使用し、うなぎの身と皮の間にある脂身のとろっとした食感を再現しています。
「皮層」には、竹炭粉末を使うことで特有の黒さを再現しています。 また、”うなぎの蒲焼” 特有の「見た目」は、3層の生地を専用の金型に詰めて蒸した後、タレを塗り、炙って焼き目をつけることで表現しているそうです。
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仙台牛タン、新潟米菓も外国産の牛や米(もちろん国産を全面に打ち出しているところもあります)を使用していますが、ブランドはしっかりと守られていると思います。浦和のうなぎも、新たな動きを取り入れながら、ブランドを守っていってほしいと思います。
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